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直前対策講座:売買委託手数料計算

AOBA's Information Processing Education



1998/07/21

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今週の問題も、明朝体にした方がいいです(X(エックス)と×(掛ける)の区別がつきにくい)

「平成1年第1種 午後 問6」

問6 売買委託手数料計算に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

 売買委託手数料(以下、手数料という。)は、売買金額×手数料率で計算する。手数料率は、売買金額の階層によって表1のように異なる。したがってその計算は、売買金額の階層別に金額,手数料率を適用し、その積算金額が手数料となる。

図1

<計算例>売買金額350万円の場合の手数料
(100万円×1.20/100)+(200万円×1.00/100)+(50万円×0.90/100)=36,500円

 この手数料計算サブルーチンを作成するに当たり、
(1)A君は、表2の料率表(10行,2列)を用いて、図1の流れ図によって対応した。
(2)B君は算式を変形し、売買金額に料率を乗算し定数を加える簡便な方法を考え、表3の料率表(9行,3列)を用いて、図2の流れ図によって対応した。
<計算例> 350万円×0.90/100+5,000=36,500円

 なお、流れ図及び解答群の中の変数AMTは売買金額、FEEは手数料を示し、ともに引数として与えられる。

図2 図4

図3 図5

設問1 A君の流れ図(図1)について、次の各問に答えよ。

(1) ( ア )( イ )を図1の記述にならって条件式で埋めよ。
(2) ( ウ )( エ )は、下の解答群a〜gの中から選び、記号で答えよ。

設問2 B君の流れ図(図2)について、次の各問に答えよ。

(1) ( オ )( カ )を図2の記述にならって条件式で埋めよ。
(2) ( キ )は、下の解答群h〜lの中から選び、記号で答えよ。

設問3 B君の料率表(表3)の定数 ( ク ) を数値で示せ。

ウ,エに関する解答群

a FEE+(X(I+1,1)−X(I,1))*X(1,2)/100
b FEE+(X(I,1)+X(I−1,1))*X(1,2)
c FEE+(X(I,1)+X(I−1,1))*X(1,2)/100
d FEE+(X(I,1)−X(I−1,1))*X(1,2)/100
e FEE+(AMT+X(I,1))*X(1,2)/100
f FEE+(AMT−X(I−1,1))*X(1,2)/100
g FEE+(AMT−X(I,1))*X(1,2)/100

キに関する解答群

h FEE+Y(I,1)*Y(I,2)/100+Y(I,3)
i FEE+AMT*Y(I,2)+Y(I,3)
j AMT*Y(I,2)+Y(I,3)
k AMT*Y(I,2)/100+Y(I,3)
l Y(I,1)*Y(I,2)/100+Y(I,3)

(注)本問題は第1種の過去問題です。現在の第2種とは解答の形式が異なりますし、レベルもやや高いのですが、とりあえずそのまま解いてみてください。


解説

 かなり昔の第1種の問題です。設問3はちょっと難しいので、ここを正解した方は自信を持ってよいでしょう。

設問1について
 A君の流れ図は比較的ノーマルですね。
 ここでは、問題文にある350万円を例に取って考えます。

<計算例>売買金額350万円の場合の手数料
(100万円×1.20/100)+(200万円×1.00/100)+(50万円×0.90/100)=36,500円

 上記の計算例における()内のそれぞれでFEEを計算し、それをすべて加算することによって最終的なFEEを求めています。
 A君の流れ図の空欄(ウ)と(エ)でもってFEEを求めていますが、A君の流れ図が<計算例>通りだとすれば、最後の(50万円×0.90/100)は、空欄(エ)の部分で処理を行うはずです(流れ図で(エ)以下に処理がないから)。
 とすれば、残りの(100万円×1.20/100)と(200万円×1.00/100)は、空欄(ウ)の部分で処理を行うことになります。
 以上はあくまでも推測にすぎませんが、何らかの仮説を立てて処理を考えてみることは、アルゴリズム問題を解く上で必要です。

(I=2)ループ1回目の(ウ):FEE + 100万円×1.20/100 → FEE....(1)
(I=3)ループ2回目の(ウ):FEE + 200万円×1.00/100 → FEE....(2)
ここで、ループ脱出
(I=4)(エ):FEE + 50万円×0.90/100 → FEE

ウについて
 (1)における100万と(2)における200万の部分は、表1の手数料率表における「Aを超えB以下の金額の部分」に該当することは明らかです(B−A)。さらに、(1)における"1.20/100"と(2)における"1.00/100"は、それぞれの「手数料率」に該当します。
 これらを、A君の料率表Xを用いてどう表現するかを考えます。

(I=2)ループ1回目の(ウ):
FEE+(1,000,000-0)×1.20/100=FEE+(X(2,1)-X(1,1))*X(2,2)/100
(I=3)ループ2回目の(ウ):
FEE+(3,000,000-1,000,000)×1.00/100=FEE+(X(3,1)-X(2,1))*X(3,2)/100

 Iの値に注意すれば、空欄(ウ)は、
FEE+((X(I,1)-X(I-1,1))*X(I,2)/100
と分かります。

エについて
 同じく、<計算例>の350万円を例にとって考えます。
 先の空欄(ウ)で、100万円と200万円のそれぞれの手数料について計算済みです。すると、これを合計した300万円以下すべての手数料が計算済みですので、350万から差し引いた残りの50万円の部分についての手数料を、空欄(エ)で求めればよいことになります。
 以上の点をA君の料率表Xを用いてどう表現するかを考えます。
(I=4)(エ):
FEE+(3,500,000-3,000,000)×0.90/100=FEE+(AMT-X(3,1))*X(4,2)/100

 Iの値に注意して空欄(エ)は
FEE+(AMT-X(I-1,1))*X(I,2)/100

アとイについて
 例えば売買金額が350万円の手数料を計算するのに、500万円を超える売買金額の手数料を計算するのはナンセンスです。だから料率表を前から探索していき、料率表中の売買金額が処理する売買金額(AMT)を超えた場合に、ループを脱出する必要があります。
 そこで、"AMT≦料率表中の売買金額"の終了条件が必要です。
 ところで、350万円の場合はI=4でループを脱出しますが、料率表の売買金額であるX(4,1)は500万円,同じくX(3,1)は300万円です。
 以上を総合して空欄(ア)はAMT≦X(I,1)と分かります(AMT<X(I,1)も正解です...ちょうどの値の時ループを1回多く回りますが、空欄(エ)の部分で調整されます)。

 もう一つの終了条件である空欄(イ)は、表の終わりまで探索した時ですので、I≧10です。もちろんI=10でも正解です。
 なお、I>10ではないことに注意してください。空欄(エ)でX(I,2)を使用しますので、ループを脱出した時のIは表の中を指さなければなりません。

設問2について
 B君の料率表の3列目が何を意味するか問題ですが、問題文中の<計算例>を見れば設問2は解けます。先に空欄を埋めてしまいましょう(3列目の意味が分かってから、再度考え直しましょう)。

キについて
<計算例> 350万円×0.90/100+5,000=36,500円

 350万円はAMTに該当します。また、B君の料率表を見れば、0.90はY(I,2)に該当し、5,000円はY(I,3)に該当することが分かります(2列目と3列目をよく見ること)。
 したがって求める答えは、AMT*Y(I,2)/100+Y(I,3)です。

オとカについて

 設問1の(ア)と(イ)と同様に考えればいいでしょう。
(オ)はAMT≦Y(I,1) か AMT<Y(I,1).......ちょうどの値で計算すると、等号ありでもなしでも同じ手数料になることが分かります。
(カ)はI≧9 か I=9

設問3について
 最初に断りを1点。
 これから説明の中に「損」という言葉が出てきますが、これはあなたが手数料を受取る側として考えてください。

 B君の料金表の第3列の謎(マジックナンバー)を解きましょう。
 仮に、売買金額150万円の手数料を考えます。<計算例>に従うと、

手数料=150万円×1.00/100+α
で計算されますが、このαが第3列の数値です(ここまでは大丈夫ですね)。
 つまり、150万円×1.00/100だけの手数料では「損」です。
 なぜなら、150万円のうち100万円は1.20%の手数料がもらえるはずなのに、150万円すべて1.00%として計算しているからです(差し引き0.20%足りません)。
 でその損分はといえば、100万円×(1.20-1.00)/100=2,000円で、これがY(2,3)つまり、300万円以下の金額における第3列の数値になっています。

 次に売買金額350万円の手数料を考えます。<計算例>に従うと、

手数料=350万円×0.90/100+α
で計算され、350万円×0.90/100だけの手数料では「損」です。
 300万円以下については1.00%の手数料をもらえるのだから、(150万円の時と同じように考えて)少なくても、300万円×(1.00-0.90)/100=3,000円は「損」です。
 ところがまだ足りません。
 300万円以下の部分には、100万円以下の部分で受取るべき手数料も含まれるはずなのに、それが加味されていません。その金額は、150万円の時に計算した2,000円です。
 したがってこれを合計した損分は、300万円×(1.00-0.90)/100+2,000円=5,000円で、これがY(3,3)つまり、500万円以下の金額における第3列の数値になっています。

 このように順に考えていくと、空欄(ク)は、
3000万円×(0.60-0.40)/100+27,500円=87,500円
と求めることができます。

 解説は以上ですが、ちょっと気になった点を一つ。
 問題文からはB君の流れ図が良いような印象を受けますが、これはちょっと疑問です。確かにB君の流れ図は処理の効率は良いのですが、A君の流れ図と比べて可読性が悪い上に、保守性にも問題があります(手数料率の変更など)。
 A君の流れ図も誉められたものではありませんけど、事務処理的なアプリケーションであれば、(今なら)A君の流れ図の方がまだ良いといえます。

 ではまた来週。


解答

設問1
(1) ( ア )AMT≦X(I,1) AMT<X(I,1)でも正解
( イ )I≧10 I=10でも正解
(2) ( ウ )
( エ )
(ア),(イ)順不同

設問2
(1) ( オ )AMT≦Y(I,1) AMT<Y(I,1)でも正解
( カ )I≧9 I=9でも正解
(2) ( キ )
(オ),(カ)順不同

設問3
 (ク)87,500