AOBA's Information Processing Education
1998/09/12
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「平成8年秋期 第2種 午後 問6」 問6 コンピュータシステムの稼働率に関する次の記述を読んで、設問1,2に答えよ。
K社では、ソフトウェアの開発をパソコン上で行うことになった。このソフトウェアの開発には、少なくても2台のパソコンが常に必要である。
設問1 次の記述中の( )に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。
パソコンは、1年間1920時間の勤務時間(1日8時間,1か月20日勤務)中に稼動しているものとする。1台当たりの1年間の平均故障時間が12時間のとき、1台のパソコンの年間平均稼働率は( a )のように計算できる。1台のパソコンの稼働率をAとすると、年間稼働時間は1920×A時間,年間故障時間は1920×(1−A)時間になる。ソフトウェアの開発に2台のパソコンを使用したとき、少なくてもどちらかが1台故障して開発できない時間は( b )時間となり、およそ24時間と見積もれる。aに関する解答群
ア 12÷1920 イ 12÷(1920+12) ウ 1920÷(1920+12) エ (1920−12)÷1920 オ 1920÷(1920−12) bに関する解答群
ア 2×1920×(1−A) イ 1920×(1−A)2 ウ 1920×(1−A2) エ 1920×(1−(1−A)2) 設問2 次の記述中の( )に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。
K社では、すでにある2台のパソコンに加えて予備機を1台追加した。このとき、同時に2台以上のパソコンが故障して開発できない時間は、次のように計算できる。この3台のパソコンの稼動状態は、次の4通りに場合分けできる。
- 3台すべてが稼動
- 2台が稼動,1台が故障
- 1台が稼動,2台が故障
- 3台すべてが故障
2台以上が故障しているのは3.と4.の場合なので、求める時間は3.と4.の場合の時間の和になる。ここで3.は( c )時間,4.は( d )時間になる。設問1のAの値を代入すると、1年間のうち2台が故障してソフトウェアの開発ができない時間は0.22時間に減少すると予測できる。
cに関する解答群
ア 1920×A2×(1−A) イ 3×1920×A2×(1−A) ウ 1920×A×(1−A2) エ 3×1920×A×(1−A2) オ 1920×A×(1−A)2 カ 3×1920×A×(1−A)2 dに関する解答群
ア 1920×A3 イ 1920×(1−A3) ウ 1920×(1−A)3 エ 1920×(1−(1−A3)) オ 1920×(1−(1−A)3)
解説 稼働率とは確率なりとさえ分かっていれば、その場で考えれば正答できます。
aについて
1年間で1台のコンピュータが動作する確率を考えます。
1年間で1台のコンピュータが動作する時間は(1920−12)時間,これを1年間の勤務時間で除した値が、動作する確率となります。だから答えは、(1920−12)÷1920です。(補足1)
この問題には出てきませんでしたが、平均故障間隔(MTBF)と平均修復時間(MTTR)を用いて稼働率を求める場合があります。
平均故障間隔(MTBF)とは、故障が発生してから次の故障が発生するまでの平均間隔であり、要するに動作している平均時間です。一方平均修復時間(MTTR)とは、故障の修復にかかる時間のことであり、動作していない(故障している)平均時間です。
稼働率はMTBFとMTTRを用いて、次の式で表せます。稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)
(補足2)
システムの構成要素(システム全体でもよい)が、単位時間当たりに故障している確率を故障率といいます。故障率はMTBFを用いて次の式で表せます。故障率=1/MTBF
それでは、本問題のコンピュータの故障率を求めてみましょう。 稼働率は設問aの答えで分かります。またMTTRは題意より12時間ということが分かっています。
稼働率=MTBF/(MTBF+12)=(1920−12)/1920
上式より、MTBF=1908時間(実は、1920−12で求まる)
よって故障率=1/1908≒5.24×10-4です。bについて
”少なくても1台が故障する時間”とは、”どちらも動作している時間以外の時間”です。
一方が動作している確率はAですので、どちらも動作している確率はA2です。だからこれ以外の(少なくても1台が故障している)確率は、1−A2となります。
よって求める答えは1920×(1−A2)です。cとdについて
3台のパソコンをそれぞれA,B,Cとし、起こりうる事象のすべてのケースにおける確率を以下の表に示します。なお、以下の表で○は稼動,●は故障を表します。表 起こりうるすべてのケースの確率
ケース A B C 確率 1 ○ ○ ○ A3 2 ● ○ ○ A2×(1−A) 3 ○ ● ○ A2×(1−A) 4 ○ ○ ● A2×(1−A) 5 ○ ● ● A×(1−A)2 6 ● ○ ● A×(1−A)2 7 ● ● ○ A×(1−A)2 8 ● ● ● (1−A)3 上記表の確率の欄で”×”を用いているのは、当該事象が同時に発生する確率を求めなければならないためです。
1台が稼動して2台が故障する確率は、ケース5からケース7のいずれかが発生する確率ですので、これらの確率をすべて合計します。これは3×A×(1−A)2です。
よって空欄cの答えは3×1920×A×(1−A)2となります。
また、3台すべてか故障する確率はケース8の確率であり、これに1920を掛けたものが空欄dの答えです。今週は以上です。
ではまた来週。
解答
a エ b ウ c カ d ウ