AOBA's Information Processing Education
1998/05/17
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皆さんも「ファイル」という用語は何回も聞いたことがあるでしょう。今では一般のパソコン雑誌にも、「ファイル」に関する記事が載ることも多いようです。
特に多く目にするのはファイル拡張子についてでしょうか。”ファイル名.dll”や”ファイル名.jpg”のファイルはどういったファイルであるか、などの説明がされています。(注)ちなみに、”ファイル名.dll”はアプリケーションプログラムの(一部の)ファイルです。ただし、ダイナミックロードリンクと呼ばれる特別な方法で起動される形式になっており、実行時に他のプログラムファイルと一体となって初めて動作が可能になります(単独では実行できません)。
また、”ファイル名.jpg”は写真を内容とするファイルの場合がほとんどですが、それがすべてではありません。これは、JPEGと呼ばれる静止画像の圧縮形式でフォーマットされたファイルであることを意味します。さて、このようにファイルを拡張子で分類するのは比較的分かりやすいのですが、これから説明するファイルの話題は、ファイル拡張子とは何ら関係がありません。
まず頭に置いてほしいのは、情報処理試験では汎用コンピュータ(大きなコンピュータ)に関する問題が多く出題される、ということです。汎用コンピュータはファイル拡張子でもってファイルを区別することはありません。ファイルにファイル拡張子がつくのは、パソコンとワークステーションだけです。そして汎用コンピュータでは、パソコンやワークステーションにはない、複雑な方法でファイルを管理しており、情報処理試験ではこの点について出題されます。(注)将来はパソコンやワークステーションに関する問題がメインになるかもしれません。
ではまずファイルの定義から見てみましょう。
ファイルとは、ある目的のために使用しやすいように、同じ種類の情報を集めたものをいいます。この用語はコンピュータの専門用語ではありません(私たちが日常的に「....をファイルする」と言いますよね。それといっしょです)。
ところがコンピュータを扱う上で「ファイル」と言った場合は、なんらかのデータの集まりを、補助記憶装置上に格納したものを指します(補助記憶装置は第8回講座を参照)。(注)ファイルのことをデータセットと呼ぶ場合もあります。
つまり、フロッピーディスクやハードディスク上に格納されているデータの集まりがファイルです。汎用コンピュータでは磁気ディスク装置(のディスク)や磁気テープ装置(のテープ)上にファイルを格納するケースが多いようです。
さてここで初めて聞くであろう用語、”磁気ディスク装置”と”磁気テープ装置”が出てきました。磁気ディスク装置とは、磁性体が表面に塗られた磁気ディスクを使って記憶する装置の総称です。パソコンで利用することが多いフロッピーディスク装置やハードディスク装置も磁気ディスク装置に分類されますが、一般に磁気ディスク装置と言えば、ディスクパック装置を指します。ディスクパック装置はハードディスクの大きなものと考えればよいでしょう。
一方、磁気テープ装置は、磁気テープを媒体として記憶する装置の総称です。磁気テープと言えば(音楽を聞く)カセットテープを思い浮かべるかもしれません(古いなー)。実際、昔のパソコンはカセットテープをファイルの媒体に使用していました(今はもうないでしょう)。しかし汎用コンピュータでは、現在でも磁気テープを多く利用しています。もちろんこれはカセットテープよりもずっと大きく、映画館で上映される映画のテープのようなものです。ファイルはこのような補助記憶装置の媒体に記録されますが、ファイルの媒体を総称してボリュームといいます。つまりファイルは、磁気ディスクや磁気テープなどのボリューム上に記録されます。
さて次に、ファイルの中身について考えてみましょう。
ファイルの中身は様々です。ファイルの中身は動画であったり、音楽であったり、写真であったりします(実際はすべて2進数のデータですが)。パソコンの場合はそうです。
ところが汎用コンピュータでは状況が異なります。汎用コンピュータで扱うファイルの中身は、そのほとんどがテキストです(汎用コンピュータでイメージや動画を扱う場面が、現実にはほとんどありませんので)。
もともとファイルは、コンピュータにデータを入力する際に、人間の手で入力する(キーボードから入力する)ことを回避するためのものです。一旦ファイルにしてしまえば、同じ手入力を行う必要もなく、何回でも再利用がききます。人間の手入力したものがファイルに記録されるのですから、ファイルの中身がテキストになるのは当然です(ちょっと強引かな)。
なぜこんなことをくどくど説明するかと言えば、来週、レコードについて説明する予定だからです。ファイルの中身がテキストだと、ちょっとはレコードを理解しやすいですので。
ここまで見てきたように、汎用コンピュータとパソコンではファイルの性格が異なります。汎用コンピュータにおけるファイルの中身は、企業の給与データや市の住民データであったり、銀行における取引のデータであったりします。パソコンではこのようなデータを扱うことはあまりないでしょう。
(注)パソコンの性能向上により、これまで汎用コンピュータで行っていた処理をパソコンでも行えるようになってきましたが、実務では、まだ汎用コンピュータを利用する方がずっと多いはずです。
ファイルについて学ぶということは、汎用コンピュータのファイルについて学ぶことだ、と割り切ることが重要です。
ではまた来週。