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午前対策:平成6年秋期 午前 問51〜問60

AOBA's Information Processing Education



1998/12/05

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「平成6年秋期 第2種 午前」

問51 表計算ソフトウェアにおいて、各セルに次のような計算式が設定してあるとき、セルA1に数値2を入力すると、セルB3に表示される数値はどれか。この表計算ソフトウェアでは、あるセルに値が入力されたときは、他セルの再計算が直ちに行われるものとする。

ア 3    イ 4    ウ 5    エ 9    オ 10

問52 関係データベースの表操作において、表1と表2から表3を作る操作はどれか。

ア condense(圧縮)    イ inclusion(包含)    ウ join(結合)
エ projection(射影)    オ selection(選択)

問53 次のSQL文によって表(学生一覧)から抽出されるデータはどれか。

 SELECT 氏名 FROM 学生一覧
    WHERE 専攻=’物理’ AND 年齢<20

ア 斎藤五郎    イ 佐藤恒一    ウ 佐藤恒一,田中真司
エ 鈴木有三,田中真司,斎藤五郎    オ 田中真司

問54 データ通信システムで使用されるNCUに関して、適切な記述はどれか。

ア 1本の回線を論理的に複数の回線に見えるようにする。
イ 送受信データの誤り検出を行う。
ウ ディジタル信号をアナログ信号に変換し、また、その逆の変換を行う。
エ 電話網への接続要求信号やダイアル番号を送信する。
オ 複数回線から入ってくるデータを、1本の中継回線に送信する。

問55 通信回線の伝送誤りに対処するパリティチェック方式に関して、正しい記述はどれか。

ア 1ビットの誤りは検出できる。
イ 1ビットの誤りを訂正でき、2ビットの誤りは検出できる。
ウ 奇数パリティならば1ビットの誤りを検出できるが、偶数パリティは1ビットの誤りも検出できない。
エ 奇数パリティならば奇数個の誤りを、偶数パリティならば偶数個の誤りを検出できる。
オ 偶数パリティならば、2ビットまでの誤りを検出できる。

問56 伝送速度300ビット/秒の通信回線を用い、調歩式で120文字を伝送する時間は何秒か。ただし、パリティビットなしの8単位符号を用い、スタート信号とストップ信号は、それぞれ1ビット長とする。

ア 0.25    イ 0.4    ウ 3.2    エ 4    オ 25

問57 次の図においてディジタル回線の終端装置となっている機器Eの名称はどれか。

ア DSU    イ DTE    ウ NCU    エ PAD    オ TDM

問58 センタ側から出る一つの回線に複数の端末が分岐接続されているデータ通信システムがある。センタ側制御局が端末側従属局に対して、送信データの有無を問い合わせるか、又は受信準備の状態を問い合わせてから、データ送受信を行う方式はどれか。

ア コンテンション方式    イ 全二重通信方式    ウ 同期伝送方式
エ 非同期伝送方式    オ ポーリング/セレクティング方式

問59 OSI参照モデルの第3層に位置し、通信の経路選択機能や中継機能を果たす層はどれか。

ア セッション層    イ データリンク層    ウ トランスポート層
エ ネットワーク層    オ プレゼンテーション層

問60 音声通信,データ通信などの複数の通信サービスを、統合したインタフェースで扱う交換網はどれか。

ア BBS    イ DDX    ウ ISDN    エ LAN    オ VAN


解説

問51について
 特に解説は不要でしょう。
 A1=2,B1=2,A2=3,B2=5,A3=4,B3=9
と、順に計算するだけです。

問52について
 関係データベースにおいて、表に対するの操作の演算は多数ありますが、次の三種の演算が基本となります。

選択(selection):表の中から特定の組(行)を取り出す演算
射影(projection):表の中から特定の属性(列)の値を取り出す演算
結合(join):二つ以上の表から条件に合った組(行)を結合する演算

 例えば問の表で、次のSQL文を実行する場合を考えます。

 SELECT 品名 FROM 表1 WHERE 番号=’020’

 この場合、表1の中から番号が’020’の組すべてが選択され、その組の中から品名が射影されます(結果は、プリンタ)。

 SELECT 品名 FROM 表1,表2 WHERE 表1.番号=表2.番号

 この場合、表1と表2が番号によって結合され、結合によってできた表3から、品名が射影されます(結果は、パソコン本体,ディスプレイ,プリンタ,キーボード,モデム)。
 ということで、求める答えは結合です。

問53について
SELECT文の(基本的な)文法は以下の通りです。

 SELECT 属性[,属性,属性...] ←抽出する属性の並び
  FROM 表[,表,表...] ←属性が存在する表の並び
   WHERE 条件 ←抽出条件

 条件には様々な形式がありますが、問の条件はその中で最も簡単なものです。
 条件によって、専攻が’物理’かつ年齢が20未満の組(田中真司|物理|19)が選択され、この組の中から(といってもこの場合は1つの組しか選択されませんが)氏名、つまり田中真司が射影されます。

 今となってはたとえ午前問題といえども、こんな簡単なSQL文は出題されません。ORDER BY指定,GROUP指定,IN述語など(まだまだある)も必須です。さらにSELECT文以外にも、INSERT文,DELETE文,UPDATE文も理解する必要があります。

問54について
 NCU(網制御装置)は、データ伝送に先だって、ダイアルなどによって通信相手と接続する装置です。これは、複数の相手と通信可能なネットワーク上で、特定の一つと接続するための装置であり、公衆網にのみ存在します。

ア:TDM(時分割多重化装置)FDM(周波数分割多重化装置)の記述
イ:CCU(通信制御装置)の記述
ウ:MODEM(変復調装置=モデム)の記述
エ:NCUの記述
オ:交換機の記述

問55について
 パリティチェックは、(2進)データ中のビットON(1)の数を数え、その数が偶数か奇数かをチェックする誤り検出方式です。
 例えば、1000001の7ビットのデータを、パリティチェックでチェックするとします。この場合、元の7ビットデータに1ビット付加して8ビットデータにします。偶数パリティチェックならば付加する1ビットには0(1の数が偶数になるように)、奇数パリティチェックならばその1ビットには1(1の数が奇数になるように)を設定して送信します。
 受信側ではビットONの数を数え、その数が予め決められた偶数個または奇数個でなかった場合にエラーと判定します。
 パリティチェックは、エラーのビット数が奇数個ならばエラーを検出できますが、偶数個の場合はそれを検出できません。もちろん、(1ビットであっても)エラーの訂正を行うことはできません。

(参考)
 パリティチェックは何も通信回線上のエラーだけをチェックする方式ではありません。通信回線ではバースト誤りといって、ビットが連続してエラーとなる特徴を有します。このバースト誤りを検出するには、CRCチェック(巡回冗長検査)方式が適しています。

問56について
 調歩同期方式(非同期方式)とは、送信するデータをすべて文字とみなし、送信側ですべての文字の先頭にスタートビット,末尾にストップビットを付加して同期をとる方式です。
 すると、1文字あたり2ビット多く伝送しなければなりませんので、120文字を伝送するためには、
 伝送ビット数=120*(8+2)=1200ビット
伝送しなければなりません。
 伝送速度が300ビット/秒の通信回線が、1200ビット伝送するのに要する時間は4秒です。

問57について
 機器EはDSU(ディジタル回線終端装置)です。DSUは伝送路上で扱うディジタル信号と、DTE(端末装置)で扱うディジタル信号を変換する装置で、ディジタル回線にのみ存在します(アナログ回線にはありません)。
 アナログ回線においてDSUと同じような機能を持つ装置がMODEMです。DSUとMODEMを総称してDCE(回線終端装置)といいます。

DTE:端末装置。現在ではパソコンが最も一般的な端末装置
NCU:網制御装置。問54を参照
PAD:パケット組立分解装置。その名のとおり、パケット交換を行う場合にパケットの分解と組立を行う装置(DTE内蔵タイプもある)。
TDM:時分割多重化装置:一本の伝送路で複数組の通信を同時に行う場合、通信する組ごとに使用する時間を定めて多重化する装置。

問58について
 通信相手を呼び出して通信可能の返答を受け取ることを、データリンクの確立といいますが、このデータリンクの確立方法には、コンテンション方式ポーリングセレクティング方式があります。
 コンテンション方式は、データを送信する局が自らデータリンクを確立する方式です。したがって、先に要求を出した局が優先されます。
 一方ポーリングセレクティング方式は、親局(決められた1つ)が子局(複数)に対してデータ送信の勧誘(ポーリング)を行い、送信データがある子局は親局に対して返答します。返答を受けた親局は、その中の一つに対して送信の許可(セレクティング)を送ることで、データリンクを確立します。
 問題の文章は、ポーリングセレクティング方式の記述です。

全二重通信方式
 データを両方向同時に送ることができる通信方式。その他、データを常に一方向にしか送信しない単方向通信,両方向送れるが一時点では一方向にしか送信しない半二重通信がある。
同期制御方式非同期制御方式
 同期制御方式はSYN同期方式フレーム同期方式のように、データをあるブロックでまとめ、そのまとめた単位で同期をとる方式の総称。一方非同期方式は調歩同期方式のように、文字単位で同期をとる方式の総称。

問59について
 OSI参照モデルは、応用プログラム間で通信を行う際のソフトウェア構造として定めた七つの階層(レイヤ)です(主にISOが定めた)。
 最も下位が第1層で、最も上位が第7層です。

物理層(第1層)
 データ通信を行うための信号レベルでの電気的・機械的インタフェース。ビット単位の伝送を保証。
データリンク層(第2層)
 データ伝送制御手順関連のインタフェースで、フレーム単位の伝送を保証。
ネットワーク層(第3層)
 どの中継局を通ってデータを伝送するか、という経路選択を行う。パケット単位の伝送を保証。
トランスポート層(第4層)
 応用プログラムが必要とするサービス品質を提供するため、データの紛失や二重データなどの異常回復を行う。
セッション層(第5層)
 全二重通信・半二重通信などの通信方式の管理や、同期制御などを行う。
プレゼンテーション層(第6層)
 使用する文字コード,符号化や圧縮など、データ表現形式の制御を行う。
応用層(第7層)
 応用プログラムや端末オペレータに、各種業務のために必要な機能を提供。

 なお、インターネットの普及により、事実上の標準となったTCP/IPは、OSI参照モデルの第5層〜第7層を一つの階層にまとめて、全体で5階層を持ったような規格です。

問60について
 問題の文章はISDN(サービス統合ディジタル網)に関する記述です。

BBS:パソコン通信の機能の一つの、電子掲示板システムのこと(パソコン通信そのものを指す場合もある)。
DDX:NTTがサービスしている(していた?)ディジタル回線による回線交換サービス(すでに試験の出題範囲から除外されました)。
LAN:ある限定された地域内におけるコンピュータどおしを、相互接続したネットワーク。今となっては解説は不要でしょう。
VAN:コンピュータによる情報の蓄積や処理などの付加価値をつけたサービスおよび、そのネットワーク。


解答

問51 エ    問52 ウ    問53 オ    問54 エ    問55 ア
問56 エ    問57 ア    問58 オ    問59 エ    問60 ウ