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午前対策:平成8年春期 午前 問71〜問80

AOBA's Information Processing Education



1999/02/27

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「平成8年春期 第2種 午前」

問71 三つの製品A,B,Cを、2台の機械M1,M2で加工する。加工は、M1→M2の順で行わなければならない。各製品をそれぞれの機械で加工するのに要する時間は、表のとおりである。
 このとき、三つの製品をどのような順序で加工すれば、加工を始めてから終了するまでの時間が最も短くなるか。

図1

ア A→B→C    イ A→C→B    ウ B→A→C
エ B→C→A    オ C→B→A

問72 次のPERT図で表されるプロジェクトがある。矢線上の記号は作業名,数字は所要日数を示す。作業Hの最早開始日は何日か。ただし、プロジェクト開始日を0日とする。

図2

ア 4    イ 5    ウ 6    エ 7    オ 8

問73 次の資料から売上総利益を求めよ(単位は千円とする)。

製造原価報告書
1.
材料費 500
2.
労務費300
3.
経費150
4.
期首仕掛品棚卸高200
5.
期末仕掛品棚卸高300

損益計算書
1.
製品総売上高2,000
2.
売上戻り高150
3.
売上値引き高150
4.
期首製品棚卸高600
5.
期末製品棚卸高400

ア 650    イ 750    ウ 850    エ 950    オ 1,050

問74 次の資料から、期末在庫品を先入れ先出し法で評価した場合と後入れ先出し法で評価した場合の在庫金額を比較する。正しい記述はどれか。

[資料]
 期首有高10個 単価10円
 4月仕入高1個 単価11円
 6月仕入高2個 単価12円
 7月仕入高3個 単価13円
 9月仕入高4個 単価14円
 期末有高15個

ア 先入れ先出し法で評価した場合も、後入れ先出し法で評価した場合も、同じである。
イ 先入れ先出し法で評価した場合のほうが、19円高い。
ウ 先入れ先出し法で評価した場合のほうが、19円低い。
エ 先入れ先出し法で評価した場合のほうが、8円高い。
オ 先入れ先出し法で評価した場合のほうが、8円低い。

問75 企業組織の代表的形態として、職能別組織,事業部制組織,マトリックス組織がある。事業部制組織の特徴として、適切な記述はどれか。

ア この型の組織では、権限と責任が二重化し、命令の一元化の原則が果たせないことがある。
イ 部門間のコミュニケーションが困難となるため、それらの部門の意思決定をトップが行う中央集権型の組織となる。
ウ 部門ごとに専門化が進むので、一つの部門内でのコミュニケーションは良好となり、一人の管理者が直接指揮できる部下の人数も拡大する。
エ プロジェクト管理と各職能部門の活動との調和を図り、かつ部門間の柔軟な人的交流をねらった組織構造である。
オ 部門ごとに独自の利益責任を負わせ、その部門に対して大幅なマネジメントの分権化が行われる。

問76 分析対象としている問題に関係する要因の数が多く、それらが相互に絡み合っているとき、原因と結果,目的と手段といった関係を追及していくことによって、因果関係を明らかにし解決と糸口をつかむための図はどれか。

ア 管理図    イ 散布図    ウ パレード図
エ マトリックス図    オ 連関図

問77 表現の目的とそれに適するグラフの組合せのうち、適切でないものはどれか。

表現の目的グラフ
一日のトラフィックの変化を表現する折れ線グラフ
各社の市場占有率を表現するZグラフ
新製品の市場におけるポジショニングを表現するポートフォリオ図
複数の評価項目に基づく機種の比較を表現するレーダーチャート
作業の日程計画を立ててその進み具合を表現するガントチャート

問78 ソフトウェアの仕様書やマニュアルなどの技術文章を、分かりやすくするための工夫として、適切でないものはどれか。

ア JISなどの意見を参考にして用語・用字を統一する。
イ 事実と意見とを区別して書く。
ウ 修飾語の順序に気をつける。
エ できるだけ受動態を用いる。
オ 長い修飾語や、多重に修飾するような句を用いない。

問79 ソフトウェアの使用に当たって特別な契約条件がない場合、著作権法上違反となる行為を二つ選べ

ア 会社で購入した1セットのパッケージソフトを、同じ部門の複数のパーソナルコンピュータで同時に使用している。
イ 購入したパッケージソフトの破損・紛失を考慮して、バックアップコピーを3セット作っている。
ウ 購入して使っていたプログラムが海賊版であると注意されたが、購入時には知らなかったのでそのまま使い続けている。
エ 使用中のパーソナルコンピュータが古くなり下取りに出し新型を買ったが、ソフトは使い慣れている今までのものを、買い直さずに再インストールして使っている。
オ 派遣先で委託されて作ったプログラムが便利なものなので、派遣期間終了後も派遣先の承諾なく自社に持ちかえって使っている。

問80 ソフトウェア会社S社に所属するP君は、派遣先であるN社でプログラムの開発を行った。労働者派遣事業法に照らし、問題のある行為はどれか。

ア N社の課長は就業中のP君に対して、直接指揮命令している。
イ P君はN社に入社しようとしてS社に退職を申し出たが、S社では派遣先への転職を禁止していた。
ウ P君の就業場所はS社とN社の派遣契約で定められ、P君は事前にその内容を確認した。
エ P君は就業上の苦情をN社の課長に申し出た。
オ S社とN社の間の派遣契約では、P君の派遣の期間,就業開始及び終了時刻,休憩時間についても定められている。


解説

問71について
 本問題のような仕事の順序付けに関する問題をフロータイプの問題といいますが、2つの工程からなるフロータイプの問題は、ジョンソンのアルゴリズムが利用できます。
 タイムチャートを作成して解答するよりも、ジョンソンのアルゴリズムを利用した方が断然簡単です。これを以下に示します。

(1) 前工程(M1)および後工程(M2)を含め、最小時間の製品を探す。
(2) 最小値が前工程(M1)にあれば、その製品を残っている製品の中で(最初は全体の中で)最初に処理する。逆に後工程(M2)にあれば、その製品を残っている製品の中で最後に処理する。
(3) その製品を除外する。
(4) (1)〜(3)の操作を製品がなくなるまで繰り返す。

 この問題では最小値2が製品Cであり、これは後工程(M2)にありますので、製品Cを最後に処理します。次の最小値3は製品Aであり、これも同じく後工程にありますので、製品Aを最後から2番目に処理します。そこで最後に残った製品Bは最初に処理するというわけです。

問72について
 最早開始時刻とは、作業がすべて順調に進行した場合、最も早くそのノードからの作業を開始できる時刻です。これは作業の前方から順に求めます。

ノード最早開始時刻(前最早開始時刻)+所要日数
(0)...プロジェクト開始日
(0)+3(A)
(3)+1(C)...大きい方をとる
(0)+2(B)
(3)+4(D)
(3)+2(E)
(4)+2(F)
(7)+0(d)...大きい方をとる
(7)+1(G)
(7)+1(H)

 作業Hの最早開始時刻はノード5の最早開始時刻ですので、答えは7日です。

問73について
 売上総利益=売上高−売上原価
です。要するに、すべての売上高からそれに要した金額を引けばいいのです。

売上高=製品総売上高−売上戻り高−売上値引高
   =2,000−150−150=1,700
製造原価=材料費+労務費+経費+期首仕掛品棚卸高−期末仕掛品棚卸高
    =500+300+150+200−300=850
売上原価=製造原価+期首製品棚卸高−期末製品棚卸高
    =850+600−400=1,050
売上総利益=売上高−売上原価
     =1,700−1,050=650

問74について
 資料を見ると9月の仕入後の段階で在庫が20個になっているはずですが、期末有り高が15個しかありません。すると期間を通して差し引き5個が出庫されたことになり、この5個がどの時点で仕入れたものかを考えます。
 出庫した5個が”先に入庫した(仕入れた)ものから出庫する”、という考えに基づくものが先入れ先出しであり、”後に入庫した(仕入れた)ものから出庫する”、という考えに基づくものが後入れ先出しです。

 先入れ先出しでは、期首の10個のうち5個を出庫したと考え、
在庫金額=10*(10−5)+11*1+12*2+13*3+14*4=180
 後入れ先出しでは、7月仕入の1個と9月仕入の4個を出庫したと考え、
在庫金額=10*10+11*1+12*2+13*(3−1)+14*(4−4)=161
となります。

問75について
 正解は事業部制組織です。主な組織を以下に示します。

ライン組織(直系組織)
 トップから末端に至るまで、単一の命令系統で貫かれた組織。規律が保たれやすい反面、横の連携が希薄になる短所がある。
職能別組織(ファンクショナル組織)
 複雑な専門分野を担当する部下に、上位者の仕事を担当させる組織。各人の能力が活かされる反面、規律を保つのが難しい。
ライン−スタッフ組織
 生産や販売などの職能を担当するライン部門とラインに対して助言を与えるスタッフ部門を組合せた組織。命令系統が単純な上に、スタッフからの助言が得られる。
事業部制組織
 本部と各事業部から構成され、各事業部は本部とは独立して利益責任を負う組織。責任と権限が明確になる反面、間接人員が増加したり短期的な利益指向に陥る短所を持つ。
マトリックス組織
 職制と事業部(またはプロジェクト)が二重に結合された組織。各部門間の人的交流が図れる反面、責任と権限が不明確になりやすい。

問76について
 正解は連関図です。

管理図
 製品工程中の異常発生を知り、その対策についての情報を得るための図。
散布図
 ある値(x軸)が変化すると他方(y軸)に影響があることを”相関がある”、というが、この相関関係を表現した図。
パレード図
 項目に対する度数を大きい順に(棒グラフで)並べ、その累積線を描いた図(ABC分析で用いられる図です)。
マトリックス図
 問題に関連する事項をマトリックス上に配置した図
連関図
 問題の原因と結果の関係を矢印で表した図。

問77について
 正解はイです。何らかの占有率を表現する場合は、円グラフなどが利用されます。

問78について
 正解はエです。受動態,能動態どちらでもかまいませんが、表現を統一する必要はあります。

問79について
 正解はアとウです(ひょっとしたらオかもしれません)。

ア:複数ライセンス契約せずに1セットのパッケージを複数人で使用するのは違法です。
イ:著作権法では、バックアップコピーをとることは許される行為です。
ウ:知らずに使っていたとすれば違法ではありませんが、海賊版と知りつつ使用するのは違法です。
エ:基本的には、使用ライセンスは個人(法人)と個人(法人)との間での取り決めです。
オ:かなり微妙です。派遣先で委託されて作ったプログラムは、通常は派遣先の企業が著作権を有します。それをそのまま断り無しに使用していれば違法なのですが、そのソフトウェアの著作権の保有者が明記されていませんので、作成した本人に著作権があると考えるべきでしょう。

 なお、上記の解釈はあくまでも何ら契約がなく、著作権だけを問題にした場合の解答です。現実には、ソフトウェアを利用するための何らかの契約を結んでいますので、必ずそれに従わなければなりません。
 契約は法律に優先します。

問80について
 正解はイです。
 P君はS社と雇用契約を結んでおり、それに従えば、P君はN社に転職することができません。
 問79で「契約は法律に優先します」といいましたが、実は法律が契約に優先する場合もあり、この問題のイがそれに当たります。
 とういのは、日本国憲法で「職業選択の自由」が保証されており、S社の契約はこの憲法に違反します。憲法に違反する契約はそれ自体が無効ですので、P君はN社に転職しても問題はありません。ただし、道義的にみれば許されない行為でしょう。


解答

問71 ウ    問72 エ    問73 ア    問74 イ    問75 オ
問76 オ    問77 イ    問78 エ    問79 ア,ウ  問80 イ