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午前対策:平成8年春期 午前 問61〜問70

AOBA's Information Processing Education



1999/02/13

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「平成8年春期 第2種 午前」

問61 システム開発の手順における内部設計工程で行う作業項目として、適切なものはどれか。

ア コード設計    イ 物理データ設計    ウ プログラム構造化設計
エ 要求定義    オ 論理データ設計

問62 プログラムモジュールの単体テストに関して、正しい記述はどれか。

ア トップダウンテストでは、テスト対象のプログラムモジュールが呼び出す下位モジュールの代わりをするスタブが必要となる。
イ 入力条件のテストでは、プログラム設計で規定された最大値・最小値のケースが重要であり、明らかに誤った条件の入力ケースを実施する必要はない。
ウ プログラムモジュール1本ごとの論理上の正しさを証明するものであるから、コンパイルでエラーが発生しなければ単体テスト完了とする。
エ プログラムモジュールのコーディングがすべて完了していなくても、単体テストを開始することができる。
オ ループ処理ロジックのテストでは、最も多く発生するループ回数についてテストすればよい。

問63 結合テストの1方法であるビッグバンテストを説明している記述はどれか。

ア テスト開始前に机上の検証で、誤りを発見して修正する方法。
イ モジュール構成図の最下位モジュールを最初にテストし、順次上位モジュールを結合してテストする方法。
ウ モジュール構成図の最上位モジュールを最初にテストし、順次下位モジュールを結合してテストする方法。
エ モジュールの単体テストがすべて完了してから、それらのモジュールを一度に結合してテストする方法。
オ モジュールの入力と出力のパターンからテストケースを決定し、テストする方法。

問64 ”データを読み込み、数字データだけを選んでその平均値を表示する”プログラムをSTS分割したとき、それぞれの機能は吸収,源泉,変換のどの部分に分類されるか。正しい組み合わせを選べ。

機 能
データ入力数字選択平均値算出  表示  
吸収吸収源泉変換
吸収源泉源泉変換
源泉源泉変換吸収
源泉変換変換吸収
変換吸収吸収源泉

問65 次のうち、モジュールの結合度が最小であるといわれている方式はどれか。

ア 外部結合    イ 共通結合    ウ スタンプ結合
エ 制御結合    オ データ結合

問66 4けたのコードN123Cがある。最右端のCはチェックディジットであり、次の方法で計算する。

 C=mod((N1×3+N2×2+N3×1),10)

 ただし、mod(a,b)は、a/bの剰余とする。
次の4けたのコードの( )にあてはまる数字はどれか。

   81( )

ア 0    イ 2    ウ 4    エ 6    オ 8

問67 バーコードに関する記述として、正しいものはどれか。

ア 移動する物体上のバーコードは読み取ることができない。
イ 共通性が重視されるため、バーコードの印刷寸法は一定に統一されており、拡大・縮小はできない。
ウ 磁気ストライプを使用する場合に比べ、機器コストや運用コストが高くつく。
エ バーコードは、包装材や容器に直接印刷することはできない。
オ バーコードは、リーダによって光学的に読取られる。

問68 企業が外部のVANサービスを利用することに関する記述として、適切なものはどれか。

ア 事故が発生した場合の責任に関して、事前に細かい検討をしておく必要がなくなる。
イ 自社業務に最も適したネットワークを構築することができる。
ウ 独自のネットワークの構築に比べ、ネットワークの構築やその運用にかかわるコストを抑えることが難しい。
エ 比較的小さな初期投資で、通信処理や情報処理の機能を選択的に利用できる。
オ 利用に当たり、情報通信に関する高度な専門知識が必要となる。

問69 統計データのばらつきに関する記述のうち、正しいものはどれか。

ア すべてのデータに定数aを加えたものの標準偏差は、もとの標準偏差にaを加えたものになる。
イ すべてのデータに定数aを加えたものの標準偏差は、もとの標準偏差のa倍になる。
ウ すべてのデータに定数aを加えたものの分散は、もとの分散にaを加えたものになる。
エ すべてのデータを2倍したものの標準偏差は、もとの標準偏差の2倍になる。
オ すべてのデータを2倍したものの分散は、もとの分散の2倍になる。

問70 次の制約条件でx−yが最小となる(x,y)はどれか。

   制約条件 x+y≦2
        x,y≧0

ア (0,0)    イ (0,2)    ウ (1,1)
エ (2,0)    オ (2,2)


解説

問61について
 システム開発は、一般的に次の順序で行い、この一連の流れをシステムのライフサイクルといいます。

基本計画→外部設計→内部設計→プログラム設計→プログラミング→テスト(単体テスト,結合テスト,システムテストなど)→保守・運用

上記工程の概要はそれぞれ次のとおりです。

基本計画
 開発対象システムの実現可能性を検討する(解答群の「要求定義」は、この工程内の作業)。
外部設計
 主にユーザインタフェースを中心とした、ユーザの立場からみたシステムの機能を定義する(解答群の「コード設計」と「論理データ設計」は、この工程内の作業)。
内部設計
 コンピュータの仕様や、システム開発者の立場からみたシステムの設計を行う(解答群の「物理データ設計」は、この工程内の作業)。
プログラム設計
 各プログラムの内部構造を設計する(解答群の「プログラム構造化設計」は、この工程内の作業)。
プログラミング
 個々のプログラムの内部論理を設計し、それをもとにコーディングを行う。
テスト
 プログラムの動作が、設計書に記載された仕様を満足しているかどうかを検証する。
保守・運用
 システムを実際に運用した後に発生した不具合の対処や、さらなる機能拡充を行う。

問62について
 正解はアです。
 アの方法とは逆に、下位モジュールから順に行うテストを、ボトムアップテストといいます。その場合は、テスト対象モジュールを呼び出す上位モジュールが必要となりますが、この上位モジュールをドライバといいます。
 なお、他の解答群についてはすべて逆に覚えてください。

問63について
 正解はエです。ただし、ビッグバンテストは小規模システムの開発にしか向かず、現実にはこのテストが採用されることは稀でしょう。

問64について
 STS分割(法)は、プログラムモジュールを分割する際に行う、モジュールの分割方法です(データフロー設計手法の一つ。複合設計とも呼ばれます)。
 STS分割(法)はプログラムを、
(1) 入力データを処理する部分(源泉:ource)
(2) 入力データを出力データに変換する部分(変換:ransform)
(3) 出力データを処理する部分(吸収:ink)
の三つに分割する作業を繰り返すことによって、モジュールを分割してゆきます。

 問題のプログラムでは、”データ入力”と”数字選択”が源泉にあたります(データ変換前の入力データの処理だから)。次の”平均値算出”は変換にあたり(単なる数字から平均値に変換しているから)、最後の”表示”が吸収にあたります(出力データ処理だから)。

問65について
 モジュールの結合度とは、他のモジュールとどれだけ関わり合いを持つかを示す度合いのことをいいます。これは、できるだけ小さい方が望ましいとされています(あるモジュールを修正したときに、他のモジュールに与える影響は小さい方がいいから)。

外部結合
 複数のモジュールが、共通領域に同種のデータを共有することによって結びついている。
共通結合
 複数のモジュールが、共通領域に異種のデータを共有することによって結びついている。
スタンプ結合
 モジュール間の関係が、構造体データを使って結びついている。
制御結合
 モジュールとモジュールが、(呼び出し時の)パラメタによって結びついている。
データ結合
 モジュール間の関係が、簡単なデータを使って結びついている(この中で最も結合度が小さい)。

問66について
 求める値をnとすれば、次の関係が成り立ちます。
(8×3+1×2+n×1)÷10=商A...剰余6

左辺を展開すると、
(26+n)÷10=商A...剰余6

となります。
 nは0〜9のいずれかです。これを(一つづつ)上記式に代入すれば、最初の0を代入すると左辺が26になり、その時の商Aは2,剰余は6です。

問67について
 正解はオです。他の解答群については、すべて逆に覚えておくとよいでしょう。

問68について
 第一種電気通信事業者(NTTなど)から貸与した通信回線を使用して、コンピュータによる情報の蓄積や処理などの付加価値をつけたサービスおよびそのネットワークを、VAN(付加価値通信網)といいます。
 VANサービスを提供する企業に自社のネットワークを構築してもらうわけですから、早い話、”費用も安いし専門知識もいらないけど、その分、自社に特化したネットワークは構築できないよ”てなわけです。  ということで、正解はエです。

問69について
 これは難しい問題ですね。まず、分散と標準偏差の求め方を知っていなければ話になりません。
 普通、分散(や標準偏差)の求め方を解説するときは、煤iシグマ)などの記号を使いますが、この記号を見た瞬間にあきらめてしまう方が結構いますので、ここでは狽ヘ使いません。次のように覚えてください。

分散
 個々のデータに対して次の操作を行い、その結果をすべて合計したもの。
(操作)
 データから(すべてのデータの)平均値を減算し、これを2乗する。
(例)1,2,3....平均値は2
分散=(1−2)2+(2−2)2+(3−2)2
  =(−1)2+02+12=2

標準偏差
 分散の平方根をとったもの(ルートをとる)。
(例)1,2,3....上記より分散は2
標準偏差=√2

 後は力ずくで解答します(数学の得意な方を除いては)。つまり、自分で例を考え問題文の操作を行い、その結果が期待した値になるか、一つ一つ確かめてゆきます。
 正解はエです。この解説の例で確かめてみましょう。

(参考)
  2,4,6...平均値4
分散=(2−4)2+(4−4)2+(6−4)2
  =(−2)2+02+22=8
標準偏差=√8=√(23)=√(22)×√2=2×√2

問70について
 制約条件を次の三つの式に変形します。

制約1:y≦−x+2
制約2:x≧0
制約3:y≧0

 これら3つの式すべてに該当する値は、以下のグラフ上で濃いグレーで表した範囲です。

図1

 解答群のオ(2,2)は制約条件を満たしません。他の4つの中でx−yが最も小さい値となるのは、イ(0,2)ですね。


解答

問61 イ    問62 ア    問63 エ    問64 ウ    問65 オ
問66 ア    問67 オ    問68 エ    問69 エ    問70 イ