ネットワークスペシャリスト
平成8年度 午前
問11〜問20 問題と解説

末広ページへ このコーナーの目次へ

ここの内容に関しての質問を歓迎します。斎藤末広まで。

ゥ斎藤末広(ジャン) 引用・複製を許可します。
書籍、雑誌などの場合は、「日本総合ビジネス専門学校 斎藤末広の資料を参考にした」旨をどこかに書いて下さい。
インターネットで公表される場合は、「末広ページ(http://www.mirai.or.jp/~suehiro/)の情報を参考にした」旨を入れて下さい。
事前の許可は必要ありません。
なお、問題文の著作権は私にありませんので、各自の責任において引用してください。

 


問11

 自動支払機が1台設置してある銀行支店の近くに、もう1支店を開設する。開設後の平均待ち時間はどれか。待ち時間はM/M/1の待ち行列モデルに従い、平均待ち時間にはサービス時間を含まないものとする。

 [条件]
   (1) 平均サービス時間:Ts
   (2) 現行システムの利用率:ρ
   (3) 開設後の利用者数:現行の1/2

(以下解答群分数式が表現できないので変形をする)

ア TS/(1-ρ)
イ TS・ρ/(1-ρ)
ウ TS・ρ/2(1-ρ)
エ TS/(2-ρ)
オ TS・ρ/(2-ρ)

解説

 待ち行列の問題で、頻出問題です。ネットワークスペシャリスト試験では、待ち行列は必須レベルです。確実に解けるようにしておきましょう。

 利用者の現行の1/2になるので、利用率=(単位時間内で処理する人数)/(単位時間内で処理することが可能人数)ですので、利用率は、現行の1/2になります。

 ここで新しい利用率をXとすると、X=ρ・1/2

 平均待ち時間は、待ち行列に一人当たりの人数をかけた数ですので、

 TS・X/(1-X) = (TS・ρ・1/2)/(1-ρ・1/2)
= TS・ρ/(2-ρ)

解答 オ

 


問12

 ATMインタフェースをもった100台の端末がホストとだけ通信するシステムが

ある。端末からの100本の回線は、図のようにATM交換機で多重化されている。

各端末からのセルの到着がランダムとみなせるとき、ATM交換機内での端末か

らホストへのセル伝送に関して、現実に近い待ち行列モデルとして適用できるも

のはどれか。

       |--------------|−−(端末)

       |       | :  :

(ホスト)−−| ATM交換機  | :  :

       |       | :  :

       |--------------|−−(端末)

 

 

 ア M/D/1

 イ M/D/100

 ウ M/M/1

 エ M/M/2

 オ M/M/100

解説

 難しい問題でした。

 ホストの受け口は,一つのなので,待ち行列は一つです。これは,お店の入りが複数あって,レジが一つであることを想像して下さい。

 さらに,ATMは,53バイトと固定長ですの,ホスト側での処理時間が一定になります。

解答 ア

 


問13

 大きな整数の因数分解の困難さを利用した暗号法はどれか。

 ア DES 
 イ RSA  
 ウ エルガマル暗号  
 エ シーザ暗号  
 オ ナップザック暗号

解説

 大きな数を素因数分解して素因数を求める計算は、時間がかかります。この時間がかかることを利用して暗号としています。この原理を使用しているのが、RSAです。

その他の解答群の説明

 ア DES(Data Encryption standard)は、IBM社が作成し、米国商務省標準局の規格です。送信側、受診側が同じキーを使用します。原理は転置と換字です。この

 ウ エルガマル暗号?

 エ シーザー暗号というのは、文字のコードをずらすやり方です。BOOKをDQQMとするやり方です。

 オ ナップザック暗号?

解答 イ

問14

 ディジタル署名の説明として、最も適切なものはどれか。

 ア 受信者が署名かぎを使って暗号文を元の平文に戻す。

 イ 送信者が、送信する平文の意味を関係者以外に分からないようにする。

 ウ 送信者は平文に冗長性を付加し、暗号化する。受信者は復号したとき、あらかじめ定められた冗長性が入っていれば正しいメッセージと判断する。

 エ 送信者は平文に署名かぎを使って署名することによって、受信者が送信者を確認できるようにする。

 オ 送信者は平文にパスワードを設定し、正当な受信者以外の人が平文を読めないようにする。

解説

 ディジタル署名とは、その人が書いたかどうか確かめる手段を提供することです。公開鍵の復号鍵(もとにもどす鍵)を公開しておき、署名する人だけが暗号鍵(暗号化する鍵)をもちます。署名した人がある部分を暗号化してそれを送信した場合、それがその人が本当に署名したかどうか、公開されている復号鍵によって、復号化することによって、調べることができます。

解答 エ

問15

 次の機能のうち、リピータに分類されるものはどれか。

 ア T型コネクタ 
 イ トランシーバ(MAU)  
 ウ ハブ  
 エ ブリッジ  
 オ ルータ

解説

 ハブはリピータ機能を持ってます。リピータとは、信号を増幅する装置のことです。

参考

 情報処理技術者試験基本用語(OSI基本参照モデルとLAN関係図) 

解答 ウ

問16

 2拠点A,Bのコンピュータシステムを伝送速度9,600ビット/秒の専用線で接続し、A拠点からB拠点のコンピュータシステムに1M(220)バイトのファイルを転送するとき、転送に必要な時間は約何秒か。ここで、伝送効率は0.8とする。

 ア 87.4     
 イ 136.5     
 ウ 699.1    
 エ 873.8     
 オ 1092.3

解説

 効率はスピードに対してかかります。
よって、伝送スピードは、9600ビット/秒×0.8、伝送する量は、(220バイト×8)ビットですので、割って、1092.3となります。

解答 オ

問17

 カラー静止画像の高能率圧縮方式である。JPEGや、動画像の高能率圧縮方式であるMPEGで使われている圧縮方式はどれか。

 ア ADPCM    
 イ DCT    
 ウ FM    
 エ MR    
 オ MUSE

解説

 JPGE(Joint Photographic Coding Expert Group)とは、ISOの組織で、静止画の圧縮規格を検討していたワーキンググループの名称です。そこが作成した規格は、このように呼ばれています。

 使用されている圧縮のロジックは、DCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)です。DCTは,空間座標を周波数座標に変換する直交変換の一つで,画像を小さなブロックに分割してそれを直交変換し,さらに量子化し高い圧縮率を誇っています。DCT方式は,JPEG,MPEG,H.261(テレビ会議)に採用されています。

その他の解答群の説明

 ア ADPCM(adaptively differential PCM)は,PCM方式の一つです。アナログの信号を一定時間ごとにサンプルとして取りだし,数値化するのがPCM方式です。その数値を隣のサンプルととの差を利用するのはが,DCPM方式で,この差が増加するとき,サンプル間隔を短くするのがADPCM(適応差分PCM)です。

 ウ FM(frequency modulation,周波数変調)は,搬送波(キャリア)の周波数を送信でーたの信号によって変化させる方式です。ラジオのFMの方式です。

 エ MR(modified relatively element address designate, 境界差分逐次符号化方式)は,ファクシミリに用いられるデータ圧縮方式の一つです。水平方向(走査線方向)の圧縮(MH方式)に加えて,垂直方向(走査線間)の情報も利用して圧縮しています。

 オ MUSE(multiple sub-Nyquist sample encoding,ミューズ)は,ハイビジョン信号を帯域圧縮する方式の一つ。NHKが開発しました。アナログ系です。

参考

 SUPER ASCII Glossary HelpDCT

解答 イ

問18

 調歩同期方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

 ア あるキャラクタと次のキャラクタとの時間間隔は、1ビットの伝送時間の整数倍でなくてもよい。

 イ ストップビットのビット長として、2ビットの長さを取ることができる。

 ウ 送信するデータがないときは、ストップビットの状態になっている。

 エ 送信するデータにパリティビットを付けることができる。

 オ 連続してデータを送信する場合、スタートビットは省略できる。

解説

 無信号状態のときは,ストップビットを表す"1"の状態のままです。それが,スタートビット"0"に変わることで信号の開始が判断されます。決められたビット数分(一文字分)だけ送るとストップビットになり,連続して送るときは,すぐにスタートビットがきます。スタートビットが無いと一文字分の始まりが認識出来ません。

解答 オ

問19

 ATMの基本機能に関する記述のうち、適切でないものはどれか。

 ア B-ISDNによる高速なデータ通信サービスを実現するために開発された交換方式で、1.5Mビット/秒以下には利用できない。

 イ 呼制御とユーザ情報の転送制御の分離によって、複数コネクションの同時設定や、通信中のコネクションの追加、削除が可能である。

 ウ サービス品質を呼ごとに設定することが可能であり、異なるメディアを統合して効率的に回線を利用できる。

 エ 情報の発生パターンが一定であってもバースト的であっても、統一的に転送が可能である。

 オ 取り扱う情報の単位を固定長とし、網内の処理をハードウェアで実現しているので、数百Mビット/秒の高速、広帯域通信が可能である。

解説

 B-ISDNは,光ファイバを利用したISDNで,広い帯域(ブロードバンド)で伝送できるISDNです。ATMは,これを効率よく使用します。1.5Mビット/秒以下でも使用できます。B-ISDNは,本来,156Mbit/秒,622Mbit/秒に対応しています。配下に様々な速度のものが接続できます。

その他の解答群の説明

 (重要ですが,省略,後日アップします)

参考

解答 ア

問20

 データ転送のプロトコルである。UDPについての記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア IPの上の階層に位置する。

 イ OSI基本参照モデルのトランスポート層に位置づけられる。

 ウ アプリケーションプロセス間の通信において、コネクションレスの通信サービスを提供する。

 エ 順序制御、誤り再送制御、フロー制御を行う。

 オ 転送されるメッセージの1単位を、ユーザデータグラムと呼ぶ。

解説

 UDP(User Datagram Protocol)は,コネクションレス(相手が伝送する瞬間つながっている必要がない)方式です。SNMPがこのプロトコルを使用しています。エの「順序,誤り再送制御,フロー制御」などをしないため,通信の信頼性はあまり高くは有りません。ネットワークへの負荷が軽いのが長所です。

解答  エ

 


spage@yscon.co.jp

末広ページへ このコーナーの目次へ